2014年7月7日月曜日

THINGS around GOCHISO


8月2日・3日に渋谷のhaus&terrasseにて企画展を開催します。

今回はわたしがメンバーのFOOD unit GOCHISOが
すきなものや、ことや、ひとを集めた企画。

会場には大きな大きなテラスがあって、
そこから見える景色は、まるで東京ではないみたい。


GOCHISOが夏の間だけ営む小さなカフェ。
おいしいものを食べたり飲んだり、
なかよしとおしゃべりして、
わいわいと、ゆったりと、過ごしながら
「今日も暑いなぁ。」と考えたりする。


すっかり気に入ってしまったその場所は、
夏の空にきっとぴったりだろうと
まだ寒かった頃から始動したプロジェクト。


tobari という
一枚の布で日常の世界の空気を
変えてみせてくれる作家さんが、
今回のためにお台所まわりの布ものを
いろいろに作ってくれる予定です。

エプロンの生地は遠くリトアニアから、
とても上質なものを取り寄せて製作中。

DMで使われているプレイスマットも
彼の作品のひとつです。
スープを置いた瞬間の、「はっ」とした気持ちを
ぜひみなさんにもお届けしたいです。

ほかの作品も、とてもとても楽しみ。


そして、ケータリングでもよく使っている
父のウッドボードも販売する予定。

材木屋さんを営む実家で、
長い間大切に寝かせていた国産の天然木を
今回のために板にひいてもらいました。

毎日の食卓になじむ様に、
型紙を作って、ぴったりと思う大きさや形を
全部で4種類デザインしました。

私が小さな頃から、いろいろなものを作って下さった
職人さんの長年の技が美しいです。


3日のお昼にはLUNCH PARTYも開催します。
真夏のパーティが今から楽しみです。


みなさま、夏のお楽しみに
ぜひぜひご予定下さい。


THINGS around GOCHISO
2014年8月2日(土)12:00-19:00
   8月3日(日)11:00-18:30

LUNCH PARTY
8月3日(日)12:00-13:30
ticket : ¥2,500(food + 2 drink)
ご予約はfoodgochiso@gmail.comまで





2014年4月25日金曜日

みこりん食堂 4月26日のお献立

久しぶりのみこりん食堂のお知らせに、
たくさんの「いいね!」を頂戴しありがとうございます。

昨年は、新しくはじめたお料理とケータリングの
プロジェクトGOCHISOに、息を吸うのも忘れるくらい
とてもとても集中して、緊張して取り組んでいたので、
ずっと続けていた食堂をなかなか開けることができませんでした。


けれど、最近
「もう食堂はやらないの?」
「最近食堂やっていないの?」
「またやってよ。」
と、言って頂くことがたくさんあって。

いつの間にか、みんなの生活になじんでいって
いたんだなぁ、と教えてもらうことができました。

それは、とてもとても幸せなメッセージでした。

ロンドンから戻って、
平日は仕事をしながら始めた「みこりん食堂」。
あっと言う間に3年以上経ったようです。

そんなわけで、
今年は、またなるべく開けたいな、
という気持ちになっています。


「みこりん食堂」で作っているごはんは、
私が家族と食べたいごはんです。

繰り返しの定番のものがあって、
旬のものが少し入って、
ちょっと手間のかかるものや、
安くておいしくてボリュームがあるものも。
あたたかいごはんとおみそ汁と、
たっぷりのあたたかいお茶があるような。

たわいのない日常や近況のおしゃべりと、
特別でないごはんです。

またぼちぼちとやっていきます。
ぜひひやかしに、来て下さい。

<お献立>
・ハンバーグ
・鯖の味噌煮

つけ合わせは
・フキノトウの入ったたまご焼き
・きんぴらごぼう
・キャベツの浅漬け
・もやしと小松菜のおみそ汁


みこりん食堂
住所:武蔵野市吉祥寺本町1-25-21
営業時間:12:00-19:00

吉祥寺駅北口を出て、右側に線路沿いを進むと、
ファミリーマートとナポリタン屋さんの間を入って
すぐの右側にあるのがmikorinです。

2014年4月22日火曜日

さくらのはなのちるをみている。


はるの、終わっていくのをみている。

細くて冷たいはるの雨に、
終わりかけた八重桜の花びらの
たくさんたくさん散らされて。

道の端に吹き溜まるのを

見つけてそのふかふかに、
こっそり手を入れてみる。

手のひらから正大に
吹かれていく花びらを。


みている、

ふわふわで白いふかふかの

スポンジの。

ケーキの上に散らしてみたい。


はるうまれのあの子にそっと。

届けてみたい。
そんな気がする。


くもり空。

さくらのはなのちるをみている。



2014年3月17日月曜日

Dubaiの風。

ヒースロー空港に着くと、
出発便が2時間遅れているらしいことが分かった。

Dubaiで乗り換えないといけないのだけれど、
間に合うかしら?

と聞いてみたけれど、
何とも言えないから、Dubaiに着いたら
とにかく急いでゲートに向かえ、とのことだった。

そして、やっぱり、
間に合わなかった。


その日の夜中3時の振替便のチケットを取るのに3時間も並んで、
やっとDubaiのホテルに移動できることに。

目的地と違う場所にたどり着くのは不思議。

冬のロンドンと
冬の東京の間。























南の国に特有の、
甘くてあたたかな風。


せっかくだからと乗った
シティーツアーのバスは、
程よい空調と、
窓からの夏の陽射し、
アラビア語なまりのほとんど聞き取れない英語のガイド。

いろいろな国や年代の乗客。

うとうとする。
夏休みの安心なお昼寝みたい。


南国の、気怠くて、
少しいいかげんな雰囲気。

幻みたいな、高層ビル群。

バカンスのビーチ。

お祈りの声。

鮮やかな黄色の花。

なまぬるい風。


ここがどこか、
いまがいつかすら、
わからなくなるみたい。

ロンドンの西。






















昔好きだった
ハイドパークの池の端にあるレストランに、
久しぶりに行ってみた。

味も、プレゼンテーションもすっかり落ちて、
観光客向けのものに変わってしまっていた。
昔はファルコンの白いホーローに、
揚げたてのフレンチフライがおいしかったのに。

それをつまみながら、パイントのサイダーを
短い夏によく飲んだ。


3年もあれば、いろんなことが変わるのに、
充分ということかもしれない。
3年あれば、なんだって変わる。



池に面してガラス張りになったそのお店から、
変わり易いロンドンのお天気を見ていた。

空がだんだんと雲を携えて、
空気に薄いもやがかかったかと思うと、
真っ暗になった空から降り出す雨。
風が強い。嵐みたい。

かと思うと、直に雨は止んで、
また雲が薄くなっていく。
太陽をきらきらと反射する、雨粒。


ぼんやりと読んでいた本を切り上げて、
そのお店を後にした。

外に出て、
歩き始めたその瞬間の、
空が。

空が、あまりにあの頃のままだったので。




あの頃。
ハイドパークからすぐの、小さな丘に住んでいた。

一度だけ、とても不機嫌な彼と
ハイドパークを散歩したことがあった。

もう話すことなどひとつもなかったはずの彼と、
なぜ公園まで出かけることになったのか、
今となっては思い出すことができない。


新宿御苑みたいに、
セントラルパークみたいに、
街のなかにあるハイドパークも
空がぽっかりと大きく見えて。

その時の私は、
その大きな空を見ながら、
とても困っていた。
そして、笑ってしまうくらい
心もとなかった。


ロンドンの西の空が、長い間
その心もとない気持ちを預かっていてくれたみたいだった。


空に忘れていった忘れ物を久しぶりに見つけたら、
意外に涙が止まらなかった。


どんなにがんばっても、
どんなに願っても、
どうしようもならないことが
人生にはあるんだなぁ、と
思い知っていたあの頃。


泣きながら公園を歩いていたら、
このまま夕飯のおつかいをして、
あの丘の家に帰れそうだった。



雨上がりの冷たくて気持ちのよい風が吹いていた。


ずっと許したかったのかもしれない。

あの頃の彼を。

あの頃の自分を。


思いの外、長い時間がかかってしまったけれど、
きっと少しずつ、忘れていける。
そんな気がした。


傾いた陽。
ロンドンの西。

2014年2月22日土曜日

肉を買う。


ロンドンでお肉を、思い通りに買うのは、
私にとってしばしば難しい。

週末を控えた金曜日のBorough market。
普段はあまりお料理をしない印象のロンドナーだけれど、
パーティとか、恋人のお誕生日とか記念日とか、
特別な時に、男女を問わずに発揮するお料理へのモチベーション。

その金曜日はバレンタインデイで、
お肉屋さんはいつにもましてひとだかり。
みんながレシピを片手に、少しいいお肉を塊で買っている。
大切な人とのバレンタインディナーに。


マーケットのお肉屋さんは、
大きな冷蔵庫をすぐそこに持っていて、
まるごとの動物達が吊るされている。

骨も、皮も、しっかりとついていて、
作りたいお料理によって、部位や切り方、
大きさを聞いてくれる。

「ハロー、マダム!」
「どんなお料理にするの?」
「そのメニューなら、ここが最高だよ。」
「塊であげようか?それとも幾つかに分けるの?
厚さはどれくらい?切ってあげようか?」
「表に出てるのはこれだけだけど、冷蔵庫の方を
チェックしてあげるからちょっと待っていて。」
「どんな風に調理したいの、言ってごらん?
それなら、それじゃなくてこれだよ。」
「それは今熟成中だから出せるのがないけれど、
かわりにこの部位はどうだろう?」


大きなまな板で、
大きな包丁で、
何日か前までは生き物だった形のそれに、
きれいに包丁を入れて切り分けてくれる。



人だかりで
「すみませんー!」のタイミングに負けることしばし。
見兼ねた若手のお兄さんが注文をとってくれる。

どんなお料理をどんな風に作るのか、
明確にお伝えすることが大事。
もう二度と注文を取ってもらえないから。苦笑


「そこのバラ肉を300g!」
「これ?」「はいっ。」

「600gあるけど、半分に切る?」
「半分でお願いしますっ。」
「これでいい?このグラムでいい?」
「完璧です。」

「他には?」
「豚のミンチを200g、それから
牛のミンチはありますか?」
「そこにあるよ。」
「じゃあそれを100gお願いします!」

「後は?」
「それで大丈夫です。」

大声。笑



彼らはとても誇らしそうに働く。

「お肉のことなら、なんだって聞いてよ。
だって俺は肉屋なんだからさ。」
と身体が言っているみたいに。


誇らしく働く人を見るのはいい。
誇らしく働く人から、食べる物を買うのはいい。



ロンドンでお肉を買う、という、
至難。笑



小さなお台所の、
小さな窓から。

2014年2月10日月曜日

あみちゃん。


去年の5月に開催された Catering FESというのに
大好きな仲間達を誘って偶然出させて頂いて、
みんなの才能が伝わって優勝をさせて頂いて、

今、私の人生は、なんとなく思っていなかった、
けれど、とても素敵な展開に進んでいる。
相方、あみちゃんと一緒に。

すごく、いろいろなひとや、
いろいろなことに感謝している。

そのことに返せるくらいに
一生懸命進んでいる。


年末、とてもとても立て込んで、
お料理をしていながら、
自分が作ったものや、その味が、
もう思い出せないくらいだった。

1月はその余韻でぼんやり出来るくらいだった。


年が明けて、
あみちゃんがドレッシングの瓶を持って来てくれた。

年末の大きな仕事で余ったものらしかった。
そして、それは私が作ったものらしかった。

「おいしかったから、
残りを捨ててしまうのがもったいなくて、
冷凍しておいたよ。」

と、あみちゃんはそう言って。


確かにそれはおいしくて、
けれどどんな風に作ったのか、思い出せなかった。

瓶のなかに、ディルか、イタリアンパセリの
茎が入っていた。


相方のあみちゃんというひとは、
とても長くお料理の修業をした人で、
それは、フレンチ出身のあみちゃんが良くやるワザだった。


「この茎、あみちゃんが入れてくれたの?」

と聞いたら

「入ってたよ。
あやちゃんが入れたんだよ。」

だって。

年末の私は、あみちゃんを真似っこしたみたいだった。笑


あみちゃんががんばり続けた、
10年もの凄まじい修行を、
私は決して乗り越えることができない。

その10年間の日々や思いに
いつだって心からの尊敬をして止まない。


だから、
あみちゃんがほめてくれると、
私はいつもこっそりと、

とても嬉しい。

とてもとても嬉しくて、

幸せな気持ちになる。


思い出してすら、
誇らしい。笑

2014年1月30日木曜日

はらぺこひなぎく。


先週の週末。

とても久しぶりに、妹達のごはんの会。

年末にあまりに忙しくなってしまって、
延期していたおでんと自家製梅酒の会を。


休日の、
外からきらきらとした光が差し込む我が家の居間。

のんびりと集まってくるはらぺこひなぎくたち。


「こんなに昼間から飲んでいいのかなぁ。」
というかわいいひなぎく達の、
あまりかわいくない食欲と、笑
おしゃべりと、笑い声と、

おおきな土鍋に山盛りのおでん。
缶のまま飲むビール。


数少ない男の子のメンバーが、
卓上コンロに湯煎したお鍋で、
こまこまとお燗酒をつけ続けてくれて。

しまいに、とてもとても幸せな気持ちになりました。

大好きな人達の
はらぺこが満たされていくのを見ているのは、
とてもとても幸せなことです。


翌日、
お台所でたくさんの洗物を片付けながら、
残響のように、みんなの嬉々とした声を
思い出していました。



おでんの会お献立

・山盛りおでん
・天然鰤のお刺身と香味野菜
・パテいろいろとバゲット
・きんかんのピクルス
・バターナッツのグラタン
・ハムカツと紫キャベツのコールスロー
・抹茶ミルクのゼリーといちご

2014年1月22日水曜日

よるのキッチンに、オレンジがきれい。


よるのキッチンで
いろいろとするのは楽しい。

静かで、
蛍光灯の光がまたたくよるのキッチンは、
自然光がきれいで、少しわいわいとした
お昼間のそれとは少し違う。


ひんやりとしたよるのキッチンで
お料理をはじめる。

何かいろいろと考えていることがあるときも、
ちょっとざわざわとした気持ちのときも、
へとへとに疲れているときも、

お料理がはじまると、
そのきれいな色に、
そのおいしいにおいに、
刻々と変化する質感に、
あっと言う間に心が奪われて、

よると、自分と、お料理だけみたい。


薄い薄い黄土色の皮の中味が
あまりにはっとするオレンジ色だったので、
白っぽくなった外側からの
グラデーションしていくオレンジが、

よるのキッチンに
きれい。


お塩でマリネをして、

朝になったら、
少しオーブンで焼いて、

ムラサキ色の玉ねぎと、マリネしてもいい。
ミドリがきれいなハーブと一緒にしてもいい。

2014年1月20日月曜日

常備菜のすてき。


今年の夏の暑い頃に、
敬愛する作家さんとexhibitionを企画中。

年が明けて、徐々に準備を進めているところ。

先日の打合せの時にお友達でもある彼と話していて、
ライフスタイルを提案するような会にしたいのだけど、
自分たちのライフスタイル、見直さなきゃ、ね。
と苦笑い気味に。


都市の生活と丁寧な暮らしを両立することは、
私たちには時として、とても難しい。


どうしたら
もう少しだけ丁寧に、
もう少しだけ優しく、
自分や、自分のまわりの大切な人の食べること
を、考えられるだろう。



昨日のポテトサラダは、
今日ゆで卵を追加して、
バルサミコ酢をかけたサンドイッチに。

昨日の白菜と厚揚げの炊きあわせに、
今日は春雨を追加して。

芽キャベツのマリネのマリネ液を、
トマトソースのベースに。

チリソースを作っておけば、
お豆腐をいれてもいいし、
そのままごはんにかけてもいい。

忙しくっても、
常備菜のようなものがあれば、
一品はつくらなくってもいいし、
常備菜をベースに作り替えるのは、
ゼロから作るよりも断然らくちん。

少しだけ、
いつもより丁寧に暮らすことができる気がする。


はぁ、常備菜ってすてき。笑


2014年1月19日日曜日

パーティの次の日の。


パーティの次の日の
お昼ごはんが好き。

昨日のよるは、なんとなくで
なかよしが集まって、いろいろなおいしいものを
たくさん食べたり、飲んだり。

それぞれが思い思いにおしゃべりして、
果たして何を話していたのか、覚えていないくらい。笑


おうちにみんなが来ると、
お土産を買ってきてくれたり、
ちょっと作り過ぎて残ったものとか、
翌日の冷蔵庫にはいつも無いような、
おいしいものがいろいろ。

夜更かしのパーティの、
お昼過ぎまで寝た翌日。

冷蔵庫のそのいろいろをならべて、
昨日楽しかったなぁ。
昨日楽しかったねぇ。

とぼんやりするのは好き。

洗濯機の回る音が聞こえている。